映画感覚思考

映画を観て感じたこと、考えたことを書いていきます。

映画感想:『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』

  

 

 

 奴らが来るぞ

 

  

 

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

                  原題:Night of the Living Dead

 

 

 あらすじ

 静かに静かに忍び寄り、突然に眼前に出現する人ならざる者。その出現に人々は恐怖し、パニックとなる―。

 

 

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 ゾンビ映画の巨匠ジョージ・Aロメロ監督の第1作目にして、ゾンビカルチャーの火付け役となった記念碑的作品です。今なお、ゾンビという存在の恐ろしさや不穏な空気感を、まざまざと見せつけられる、まさにホラーな作品だと思いました。

 

 

 

 様々なバージョンがあるので、この作品を見る際は注意ですよ。今レンタルショップで手に入りやすいのは、”ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 最終版”ですかね。このDVDの中には、”30周年記念バージョン”と”1998年バージョン”が入っています。”記念”とか言われると何か惹かれるものがありますが、迷いなく”1998年バージョン”を鑑賞することを強くお勧めします。

 

オススメ度:☆☆☆☆(おすすめ!)

 

 

    ↓↓↓以下ネタバレを含みます↓↓↓

 

 

 

 見ていて、絶妙にいらいらする映画ですね。いい意味で。たぶん。途中の間延び感以外は、それぞれの登場人物のそれぞれのエゴのぶつかりあいに非常に不快になりました。いい意味で。子ども以外のそれぞれの人物にいらいらポイントがありましたが、特に、地上で指揮をとろうとするベンと地下に籠りたいハリー・クーパーの対立はとても不快でした。もっとお互いに言い方があるでしょうが。うぅ。2人の演技の良さと演出ゆえのいらいらだったと思います。ああいう状況になったら、自分もあんなに攻撃的になってしまうのかな、とかついつい考えてしまいました。

 

 

 もう1つ、不快な気分にさせられた要素として、やはり女性陣の描き方が挙げられますね。特にバーバラでしょう。正式な医学用語としては既に使われていない言葉ですが、いわゆるヒステリーな女性というものを読み取ってしまいました。このようなキャラクターにしたのは、バーバラを演じたジュディス・オーディアさんの恐がる演技が上手かったために、当初予定していた強気なキャラから変更したという話もあるようですが、であれば、他の女性に強気なキャラクターを配しても良かったのではと思ってしまいます。いらぬお世話ではある気はするのですが。

 1人1人のキャラクターを切り取ってみてみれば、それぞれがとても良いキャラクターをしており、それを見事に演じて、とても良く演出していると思います。だって、こんなに不快なんだもの。

 

 

 そして、やはりあのラストですよ。生き残った黒人を殺すのは白人の民間集団という構図。この構図が現在でも通ずるところがあるのが、とてもとても怖いですね。

 

 

 

 

 個人的な話になりますが、私は、この映画の初見時に、”30周年記念バージョン”を見てしまったのですよ。最初は何も前情報を知らずに観たので、神父がえらくフューチャーされてるな、と思ってました。あとから調べてびっくり。”30周年記念バージョン”は不評とのお言葉を見かけたのですが、それしか知らなかった私は、まあこういうのもいいんじゃない?と軽く思っていました。しかし、ジョージ・Aロメロさんの訃報を聞き、”30周年記念バージョン”ではないバージョンのものを改めて観て、ああ、こっちだわ、と思いましたね。これを観てしまうと、”30周年記念バージョン”は蛇足でしかないものになってしまいますね。不評の理由もなるほどでした。

 

 

 調べていて、いまさら気付いたのですが、この作品がアメリカで公開されたのは1968年。びっくりしました。思わず声出ちゃいました。50年前の作品ですよ、50年前。何と半世紀も前の作品でした。今見ても色褪せてないなあと思います。いや、すごい。

 

 

 

 ジョージ・Aロメロへ敬意を表して。

 以上、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』感想でした。ありがとうございました。